昨日、車の中で猫が血便混じりの便を出してしまったとき、娘は「くさっ!」っと言っていた。確かに臭かったが、僕や妻にとっては過去に嗅いだことのある臭いであり初めての臭いでもなかったので、さほど何とも思わなかった。しかし娘からすると、猫が車に乗っていざ家へ出発しようとしたときにうんちをして、便の臭いが狭い車内に充満した状況に置かれることは不運なことかもしれなかった。娘は時折猫の方を気にはしながらも、なるだけ見ないようにとほとんどは外の景色を眺め、何かをぐっと堪えているようだった。
家の駐車場に車を停めたとき、娘はもう堪えられなくなったといった表情をしていた。妻は猫にかかりっきりで娘のその様子にほとんど気づいていないし、気にする余裕もない。猫は便を踏んで便まみれというほどではないにしろ体が汚れていたため、妻はすぐに猫と一緒に家へと上がっていった。残された娘は泣きじゃくり、家に向かおと言っても拒否してしばらく泣きやむことはなかった。家の中に入ることが怖かったのだろう。猫は無事なのか。うんちの臭いは家にも充満しているのだろうか。しかし家の駐車場に着くまで泣くのを我慢していた娘は偉い。車の中で泣いたら、猫はさらに動揺するかもしれなかったから。
娘に話を聞くと、血便を出したことが怖かったらしい。そりゃそうだろう、朝は楽しみで仕方なかったのに、車へ入るや便を漏らして強烈な臭いを間近で嗅がざるを得ない状況となり、おまけに血便まで出ていた。娘も猫のいる環境への適応が必要なのに、それがままならない。そして後からわかったことだが、娘は猫につきっきりとなったことに嫉妬を覚えていたらしい。そのことを寝るときに妻へこぼしていたとのこと。それも仕方のないことではあったのだが、娘にはかわいそうなことではあった。猫の世話はみんなで、もっと言うなれば娘が自分でやると言っていたくらいで、妻がつきっきりになるのは想定外だった。
さらに悪いことに家の中に蚊がいて、1匹すぐに仕留めたもののもう1匹いるようで、娘と妻は噛まれまくっていた。僕は飛蚊症が酷いため、蚊を見つけることができない。娘が何度か蚊を見かけたがその1匹を仕留めることはできず、おそらくまだ家の中に潜んでいる。
子猫は家に入ってからは一度も血便を出すことはなく、元気そのものだった。おしっこもしていたし、食欲もしっかりあって水も飲んでいた。爪とぎもしていたし、ケージ内を何度も上り下りしていた。嘔吐することもなく、便以外には何も問題なかった。救急動物病院へ行くかも迷ったが、様子を見ることにした。
朝、猫はやはり元気そのものでずっと鳴いていた。僕はとりあえず仕事に行くことにしたが、車を出す必要があったため、病院の予約ができ次第、外出届を出して病院に連れて行くことになった。病院へは徒歩で行けないこともないが、この暑さの中で歩いて行くには妻にとっても猫にとってもしんどいことだ。めちゃくちゃ元気ではあるが、体は万全ではないのは間違いなく、さらに体調を悪化させるわけにはいかない。
11時半すぎに病院へ来てくださいとのことで一旦家へ帰って病院へ。昨日の血便も取っておいたのでそれも病院へ持って行き検査をしてもらった。結果、今のところは元気なので問題ないとは思われるが、6月末からお腹が緩くなることを繰り返しているため、もし今後続くようであればPCR検査に出すのも検討した方がいいと言われた(検査に出すには1万6000円ほどかかるらしい!)。まだ油断はできないが、診てもらったことで安心したし、獣医師さんはとてもわかりやすく丁寧な説明をしてくれ、今後安心して診せに行ける病院が近くにあることがわかったことが何よりよかった。
しかし獣医師さんにも看護師さんにも元気な猫だと言われ、特に獣医師さんは病院でもここまでふてぶてしい感じなのでやんちゃな性格になるだろうと笑われた。ひっかいたり噛んだりすることもあるだろうと。ペットショップでは穏やかでずっと寝ていると言われたのは……? 昨夜もギリギリまで遊びたがってなかなか寝ていなかったから、ずっと寝ているというのも違うし。母とも話したが、実家で飼った最初の猫がそういえば最初はそんな感じだった。僕は覚えていないが、子猫の頃はよく弟の髪の毛で遊んでいたらしい。リボンは娘の髪の毛で遊ぶようなことがなければいいのだけれど。
というわけで、子猫との生活は初日にして波乱だった。翻弄されてしまったが、やんちゃな子猫はただただ可愛い。今はゆっくり寝ている。