昨日の帰宅後、子猫をケージから何度か出してみた。ケージの中が狭いと言わんばかりに何度も訴えていたが、ケージを開けるやその鬱憤をはらさんとせんばかりにとんでもない俊敏さで部屋の中を駆け回る。ただその駆け回り方はどこか常識をわきまえたというのか、僕らが入ってほしくないようなテレビ台の下まで入ることはなく、口に入れるべきではないものを口に入れることもない。こっちの様子をうかがいながら、暴れるだけ暴れてやろうという具合だ。基本的には僕らが座っているリビングの奥から玄関方面に走り、風呂場とリビングを行き来するか、たまに玄関まで行ってしまうくらいのものだった。

 誤飲の可能性もあるので完全に放つにはもっと家の整理が必要だしまだ早い気はするが、ケージから放つ時間をどんどん延ばしても問題なさそうた。一度ケージから出ると、僕らが戻さない限りは自らケージに入ることはない。より広い世界を見たい気持ちがあるようだ。

 元気はあるが、今朝もまた血が混じった便を出していた。朝は時間を空けずになぜか連続で2回うんちをするのだが、1度目は見た感じ血は混じっていなくて2度目には混じっている。血が混じるのは朝のその2度目だけなので、1度目から時間を空けずにということを考えると切れ痔の可能性もなくはないような気もするのだが、もちろん僕らでは判断できないことだ。薬がなくなっても続くようであれば、便を持って病院へ行かなければならない。

 娘は朝活のために6時に起きているが、その時間に猫も起きるようで、これまでのようにはなかなか朝活の時間を使えていないようだ。だが、それで不満を漏らすこともなく、楽しんでいるように見える。起きてしばらくすると猫がうんちをして、娘は妻を呼ぶ。妻がうんちの片づけをする間、猫はケージの外へ出て、娘は猫が悪さをしないか見守る。うんちをするのが娘が起きてからどれくらい時間が経ってからのことかはわからないが、それまで娘は猫に絵本を読んであげているそうだ。

 昨日は『となりのせきのますだくん』を読んだらしい。『となりのせきのますだくん』は僕が小学生の頃の一番人気だった絵本で、みんなこぞって借りたがり、常に順番待ちだった。そのエピソードとともに娘に買ってあげた絵本だったが、娘にはさほど刺さらず、これまで数回しか読んだことはなかったはずだが、猫に読んであげる絵本として選んだのが『となりのせきのますだくん』だった。僕は娘がその絵本を選んだと知って嬉しかった。どういうつもりで選んだのかはわからないが、絵本に登場するますだくんのような意地悪はしないようにといった道徳的な気持ちからか? しかしますだくんも意地悪の気持ちだけでちょっかいを出すのでもない。寂しさもある。ケージの中で寂しさを感じているかもしれない猫の気持ちを思ってのことか? 娘がその絵本を選んだ理由はわからないが、興味深い。

 ケージに閉じ込められた猫。まだ本格的にはケージの外へは出ていない。しかし僕は昨夜、真夜中に起きて妻の横で眠る猫の姿を見たのだ。暗かったので見違えたかと思ったが、そのシルエットは明らかに猫だった。同じ部屋に寝るようにしたのかと、僕は妻へ猫と一緒に寝ることにしたのかと声をかけた。が、妻は深く寝ていて応答はなかった……。

 今朝、そのことを妻に言うと、猫はケージから出ることなくケージの中で寝たという。そんなはずないじゃん、と。確かにその通り。僕も猫がいて驚いたのだから。しかしやはり僕は猫を見たのだ! ケージから出していないとするとあの猫は何だったのか。自らケージを開け、朝になってケージから戻ったということはあり得ないはずだが。

 うーん、不思議だ。